読書:孫子 第2章【戦況を見極める】

こんばんは。 稲葉です。

孫子の第2章【戦況を見極める】を読み終えました。 本章も気付き、学びが大変多く、考えさせられることが非常に多かったです。 これだけ中身が濃いことが所以なのか、既に一冊の本を読み終えたような感覚に陥ってしまいました。 まだ半分以上も残っているんですね。 嬉しい限りです。

今回の戦況を見極めるという副題ですが、ザックリ言うと、先見の眼が非常に大切であると解釈しました。 未来を見通し、現状を知り、そのために何を選択する必要があるのか?

本章ではそういった観点から、気に入った学びをピックアップしています。

戦い勝ちて天下善しと日うも、善の善なるものに非ざるなり。

最良の結果は、国民から称賛されるような勝利ではなく、無理なく自然に勝利することのようですね。 まるで初めから勝敗が決まっていたかのように自然に溶け込んだ、誰からも認知されることのない圧勝こそが最善の戦争の勝ち方といえます。

利に非ざれば動かず、得るに非ざれば用いず、危うきに非ざれば戦わず。

行動に移すべき時は有利な状況や必勝の態勢の場合のみに限り、一か八かの行動をすることは問題外であるということです。 個人的な戦闘において一か八かの勝負を仕掛けることはあっても、一国の戦争指導では決して許される判断ではありません。 これは、仕事においても全く同じだと考えます。 状況判断のポイントは、「利」と「害」の両面が見えていることが必須条件だと考えます。 ただし、楽観的な人が「利」ばかりを見て希望的観測で行動に移すことも、悲観的な人が「害」に目を奪われてばかりでチャンスを逃すことも芳しくないため、楽観的な人は「害」に、悲観的な人は「利」に目を向けてバランスを取ることで、状況判断力を向上させられます。

兵は国の大事にして、死生の地、存亡の道なり。察せざるべからず。

どんな大国であっても戦争ばかりしていては、国力を低下させるばかりか、危険にさらしてしまいます。 「武とは、戈を止めること」と言います。 「戈」とは戦さのことを指すので、戦さを止めるために武道があるということです。 戦争というのは、時には待つことも大切で、待ちの期間というのは、次に飛躍するための準備期間を指します。

兵は拙速を聞くも、いまだ巧の久しきを賭ざるなり。

短期勝負に出て成功することはあっても、長期戦に持ち込んだ結果成功することは無いという意味ですね。 仮に勝ったとしても、軍は疲弊し、士気は衰え、全てにおいて弱体化しているはずです。

兵を用うるの法は、国全うするを上となし、国を破るはこれに次ぐ。

戦争はなるべく相手を傷付けずに降伏させることが得策のようです。 撃破しての降伏だと、それに至る過程で、当然、相手は反撃をしてきます。 その結果、大なり小なり自軍にも損害が被ります。 さらに、状況が変わって、敵軍が味方になった場合、戦力を温存させておいた方が結果的に得することにもなります。 この考え方からは、様々な未来を先読みできる洞察力を養うことの大切さを実感できます。

第2章【戦況を見極める】を読み終えて

いや〜、激アツでした。 前章同様に、本章も何度も何度も読み返してしまいました。 熟読しながら、参謀長官になって軍を動かしたり、大企業の経営者として数億円の経営判断をする妄想をしながら読み込んでしまいました。 残りあと3章も残っています。非常に楽しみであります。

今回も、苦渋の決断によりピックアップしなかった考え方が多々ありますので、気になった方は書店にて是非、お買い求め頂けたらと思います。

それでは、今日はもう寝て、明日から第3章【知略で優位に立つ】を読みます。