「AIとBIはいかに人間を変えるのか」の書評ブログ(BI編)

こんにちは。 ベーシックインカムの実現が、思っていたよりもかなり現実的な話であることに感銘を受けている稲葉です。

先日、「AIとBIはいかに人間を変えるのか」の書評ブログ(AI編)を投稿しましたが、今回はその続編にあたる、「AIとBIはいかに人間を変えるのか」の書評ブログ(BI編)です。

※AI編について詳しく知りたい方は、以下のブログを見ていただけたらと思います。

iam1031nobosemon.hatenablog.com

さてさて、今回のBI編のキモとなるワード「BI」ですが、なんのことだかわかりますかね?

ぶっちゃけ僕は、本書を手に取り、「BI」という単語を見て、「はへ?ビーアイ?何だそりゃ?」って感じでした(笑)

BIとは?

BIとは、Blogger Inaba(ブロガー イナバ)の略称で、ブログで収入を取ることを夢見て日々コツコツと〜っていうのは冗談です(笑)

BIとは、Basic Income(ベーシックインカム)の略称で、「健康で文化的な最低限度の生活を営む」ために、国から全国民に対して毎月与えられる給付金のことをいいます。 政治学では生存権所得とも言われているそうです。 といった感じで、本書になぞって小難しいことを書きましたが、要は、ニートだろうが、ホームレスだろうが、バリバリ働いていようが関係無く、国が毎月国民全員に一律同金額をフェアに支払い続けますよ。といった大胆な政策のことです。

ってか、、、BIって、ベーシックインカムのことかい!! マジかよ!? ベーシックインカムのこと、BIって言うの!? って思いましたね(笑)

僕は本書を読むまで、「ベーシックインカムは実現不可能という点に目をつぶれば、完璧な政策だ」という印象を持ってました。 実際にメリットはいっぱいあるので。 仮に始まったとしても、財源が尽きて自然消滅するのがオチでしょ?って想いが先行しちゃってたんですね。

ですが、本書を読んだことで、ベーシックインカムの可能性を再認識し、僕が勝手に想像していた懸念点は無知からきてたものだったんだなと痛感しました。 なんというか、頭の中がシンプルになったのと同時に、良い意味でいろんな妄想が膨らんできましたね。

では何故、僕がそんなふうに考えを改めたのかをお伝えしようかと思います。

ベーシックインカムの制度的メリット

1、仕組みがシンプル

確かにこれは納得ですね。 生活保護や失業保険のように、面倒な手続きや審査、必要書類の提出など、複雑な作業が一切無く、ただ生きているだけで全国民一律の金額が給付される仕組みなので。

2、運用コストが低い。

これメッチャ意外でした! でも、読むと直ぐに納得できます。 先ほどの、シンプルであることに付随した内容になりますね。 全国民に決まった額を毎月お支払いするだけなので、意味不明なクレーム対応や審査をする人を用意する必要がありません。 更に、謎の計算ミス、受給漏れといったことも無いので、人件費や経費をかける必要がほぼ無いとのことです。

3、恣意性と裁量が入らない

今の日本の社会保険制度等は、個人的な事情次第で裁量が変動するといった、ニーズ対応型の個別サービスが大半なんですね。 それに引きかえ、ベーシックインカムはそういった個人的な事情を完全に無視して、一律でフェアな給付をする仕組みとなっています。

4、働くインセンティブが失われない

一見、こういった社会主義的な仕組みだと、仕事に励む意欲が損なわれそうな気がしますが、あくまでベーシックインカムは給付金なんですね。 当然、ベーシックインカムを貰いながら仕事をしても良いわけです。 仕事をせずに好きなことをしたい人は好きなことをすれば良いですし、仕事を通して成長したい人やもっと稼ぎたい人は仕事をすれば良いだけなんです。 つまり、頑張ればそれに応じたメリットがあり、頑張ることによって発生するデメリットはありません。

5、個人の尊厳を傷付けない

生活保護の申請などでよく聞く話として、個人的な問題や立ち入った話をすることで、申請者が精神的ダメージを負うことがあるそうです。 そもそも、生活保護を申請する方というのは、生活をする上で必要な収入を得られていないんだから、あまり掘り下げられたくないことだってあるはずなんですよ。 そういった人たちでも、ベーシックインカムの制度があれば、無駄なコミュニケーションを取る必要が無く、給付金が支払われるわけなので、メンタル的にも超楽チンって感じになれます。

以上のことが、ベーシックインカムを採用することによって得られるメリットとなります。

ベーシックインカムによる経済的メリット

ベーシックインカムうんぬんは置いておいて、日本は今までにいろんな財政政策や金融政策をしてきたじゃないですか。 まぁ、結果はご存知の通り、景気回復には残念ながら繋がってはいませんが、、、。

その原因は、日本国民の大多数が属している、中間層や低所得層に生活を我慢させ、消費を抑えるような政策が多かったからなんだそうです。

ここでベーシックインカムが上手く機能することによって、中間層や低所得層の消費意欲を駆り立てることも不可能ではありません。 そうすると、国民経済を活性化させられることもできるってことですね。

ベーシックインカムは企業にとってもメリットがある

ベーシックインカムが採用されれば、これまで企業が負担していた雇用保険の軽減ができたり、解雇規制の緩和がされることで給料を支払いたくないような社員をリストラし、人件費を抑えることもできます。 仮にリストラになったとしても、ベーシックインカムがあるため、生き延びることはできるわけなんですね。 つまり、企業側が社員に対して、手厚い福利厚生や退職金の支払いなどをしなくて済むようになります。

そもそもベーシックインカムって本当に導入できんの?

これまでベーシックインカムのメリットをたくさんお伝えしてきましたが、本書を読む前の僕がそうであったように、「ベーシックインカムなんてただの理想案だろ?」って思っている人が世の中けっこういるみたいですよ。 気持ちは分かりますよ〜(笑)

基本的にベーシックインカムの実現に首をかしげる理由は2つあります。

1、フリーライダー問題(ニートの増加)

ベーシックインカムが導入することで、働かない人間が増えていくのではないかと考える人が多数いらっしゃるようなんですね。 まぁ、気持ちは分かるんですけど、本来、人は食べていけることだけを満たす生き物ではなく、自己実現を目指す生き物であることは既に様々な分野で実証済みなわけですよ。 一時的に働かない人が増えたとしても、人は向上心を持って動き始めるので、問題は無いとのことです。

2、財源問題

問題はこっちですよ。 僕も絶対に、財源が枯渇し、ベーシックインカムなんて長期間もたないでしよ!?って思ってたので(笑)

ですが、アレ?意外といけるんじゃね?って思っちゃいました(笑)

細かく書いていくと文章が半端なく長くなってしまうので、本書をお読みいただけたらと思うのですが、概要だけお伝えしますね。 消費税アップ・金融資産課税・法人税増税高所得者累進課税の強化などなどで、財源確保はたやすく行われるとのことです。

以上のことから、ベーシックインカムは制度設計を適切に行えば、解決可能な「不安に感じているだけの」課題があるだけってことになります。

イギリス面白い実験がありました

イギリスで、「ホームレスにお金を与えたらどうなるのか」という実験をしたそうなんですよ。 13人の男性ホームレスに、ルールやサポートを設けず毎月日本円で45万円分の金額を無条件で与えたそうなんです。 1年半後には家に住むようになったり、自分を高めるための講座を受講したり、将来のことを考える活動をするようになったそうです。 これはベーシックインカムとは違い、期間限定的な実験でしたが、ベーシックインカムが実現化されることで、同じようなことが日本でも起こるんじゃないかと、期待に胸が膨らみました!

ベーシックインカム導入後の世界

ベーシックインカムが導入されると、本書で最初に伝えていたように、人は生きるための労働をやめ、自分にとって本当の意味で価値ある仕事をするようになる人が増えると思います。 仕事の内容や取り組む姿勢といった意味で、肉体的にも精神的にも高次元な仕事ができるようになる人が増えれば、世界がもっと盛り上がるはずなので。

僕がいろんな人とコミュニケーションを取っていてよく思うことは、生活をするために嫌々今の仕事をしていると言う人が多いな。ってことなんですよ。 そういう人たちがいることは、仕事をする側にとっても、企業側にとっても、あまり望ましいことじゃ無いじゃないですか?

ベーシックインカムが導入され、日本経済がさらに活発化することを心より望みます。

以上がBI編の書評ブログでした。 次回は最終章、「AI+BIの社会で人間はどう生きるのか」について、まとめの書評をさせていただきます。

乞うご期待!!!!!